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アスベスト

 

こんにちは、東京の解体工事専門店の

カクケンです。

アスベストとは、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で「せきめん」「いしわた」と呼ばれています。

以前はビル等の建築工事で、保温断熱の目的として石綿の吹き付け作業が行われておりましたが、1975年に原則禁止になっています。

その後も、ブレーキライニング材、防音材、断熱材、保温材など利用態様は多様で特に船舶、建材関係に多く使用され「奇跡の鉱物」と重宝されてきましたが、

こちらの使用も現在では製造禁止になっております。

ではなぜこれほど重宝されたものが禁止になってしまったのでしょうか?

その歴史と禁止になった要因についておはなしします。

日本でも輸入はかなり以前からで、1887年から始まり、第二次世界大戦中は一時的に輸入が停止しますが、戦後輸入が復活します。

日本のアスベスト輸入量は、昭和40年代後半(1970~1975年頃)が最盛期で、年間30万tを超える量の石綿が輸入されてました。

しかしそれよりのち、国の規制で石綿の使用が禁止となり、石綿の輸入量は減少して

最終的には、2006年にアスベストの輸入が全面的に途絶えることになります。

ある事がきっかけで世間にアスベストがどんなものなのかが世間に周知されます。

2005年6月クボタショックといってアスベストが人体を脅かすものとして社会に発覚する出来事が起こります。

機械メーカー、クボタが、アスベストを扱う工場の従業員や、工場周辺の住民にも中皮腫などの患者が多く発生し、

さらにはアスベストが肺がんの要因になることが社会に広がり扱っていた労働者だけでなく、周辺の住民にも被害が及ぶこと、

また死亡者数、現在療養数などを発表したのです。

これを報道したことを契機として、健康被害の問題が浮上し、アスベスト禁止がより強まることになりました。

アスベストによる人的被害ですが、アスベスト(石綿)の繊維は非常に微細で研磨や切断時に飛散した石綿を吸引したことで引き起こすものです。

吸引したアスベストの一部は異物として痰の中にまざり体外へ排出されるのですが、

体内に滞留した石綿が,肺の繊維化やがんの一種である肺がん,悪性中皮腫などの人体への健康被害を引き起こす要因になりました。

アスベスト関連の疾患による診断は、死亡者数が増加し、特に2005年以降は毎年500人を超える多くの患者が亡くなっています。

原因となっている中皮腫による死亡者数も、年々増加で2016年の中皮腫による死亡総数は1,550人の報告がでております、

このようにアスベスト暴露から肺がん発症までに15~40年の長い潜伏期間があります。

2020年10月に世界の病気別の死者数などを推計する研究「世界疾病負荷」の結果で

日本のアスベスト(石綿)による年間死者数の推計が初めて2万人を超えたとの報告があり、

世界的おいてもアメリカ、中国に次ぐ3番目とされ、日本が「アスベスト被害大国」である事が

明確になっています。

世界的には1900~2019年の世界の累計アスベスト生産量は約2億トンでロシア・カザフスタン、

カナダ、中国がアスベスト主な生産国で、

近年ではロシア、カザフスタン、中国がアスベストの生産のすべてを占めています。

日本では平成18年9月1日に労働安全衛生法施行令が改正され、アスベストを重量比が0.1%を超えて含有する全ての製品について、

製造・輸入・譲渡・提供・新規の使用等が禁止になっております。

さらに2023年(令和5年)10月から解体等工事に伴う石綿飛散防止対策の強化として大気汚染防止法の一部を改正する法律が施工されます。

世界的にみて使用禁止はまだまだなのでしょうか?

次回アスベストの解体について、おはなしできたらと思っております。

ご購読、ありがとうございました。

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